「どこの家に行っても、どんなに上手いシェフが作ったコーヒーでもなかなか飲まないんだけど、君はすごいね」




そう言って笑いかけてくださる杉浦様。




「料理も少し期待しちゃうかな。
あ、でもお嬢様の方が作るのか…」




少し声が不安げになる。
でもそんな心配はいらない。




「大丈夫でございます。必ず杉浦様のお口にも合うお料理であると思います。

お嬢様はとても一生懸命でした…」




「そっか、」




本当に朗らかな人だな…。




「君の名前は?若いよね。何歳?」




「あ……高校1年生です。薗花珠実と申します」





「同い年!よろしく、たまちゃん」





そう言って笑いかけてくださる圭馬様はかっこよすぎる。




「はい、よろしくお願いします」




私もとびっきりの笑顔でこたえたのだった。



でも私はこの時知らなかった。
この様子を誰かが見ていたなんて。