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「どうぞ……」
「あ、ありがとう…」
今はご両親同士でのお話のようで、茉由様もお着替え中。
だからテラスには私と杉浦様だけ。
杉浦様は私の淹れたコーヒーを少しためらいがちにお飲みになった。
「えっ……これ……」
「お口にあいませんでしたか?」
杉浦家まで行って学んだコーヒーの入れ方。
また色々絶妙なタイミングで難しかったけど、自分で飲んでみてもなかなか美味しいと思った。
何回か飲んでもらってたんだけどやっぱり合わなかったかな?
「君が入れたの?」
「は………い………」
「すごく……………おいしい……」
すごく穏やかな表情でそういった。
「俺…僕には専属シェフがいるんだけど、最近の夕飯のコーヒーの味が前と少し違うんだ…。
嫌いじゃないんだけどね…それと同じ味がする…」
私の…コーヒーのこと?
よく覚えていらっしゃる…。