時間もたち、食事の下準備もできた頃、相手の方がお見えになられたみたい。
やけに玄関が騒がしい。
「杉浦圭馬様。お待ちしておりました。」
新実さんの声がする。
私も急いで玄関に向かう。
「こちらこそ、お招きいただきありがとうございます。」
これは厨房からよく聞き慣れた杉浦様の声だ。
「私、ここのメイドをやっている新実と申します。何かあれば私か、こちらの薗花にお申し付けください。」
そう言って新実さんは私をこっちに来いと手招きする。
すかさず私は早足で2人のところへ。
「こちらでメイドをやっております、薗花です。
何かあれば何なりとお申し付けください。」
そう言って頭を下げた。
「薗花さん、杉浦様をテラスのお席へ」
「はい。」
新実さんにそう言われ、私は芝生の庭につながる広いテラスへ杉浦様を連れて行った。