「お坊っちゃまは基本的に甘いものはお召しになりません。しかし、苦すぎてもお召しになられません。
この苦さ、この甘さに作るのも難しいのですが、この二つを組み合わせるバランスもまた、絶妙にすぎて、難しいのです。」
なるほど、苦すぎるから甘いのを少し混ぜるんだ…。
「今回のデザートはプリンのみにしています。
なぜかというと、色んなカラメルを試してみたいからです。
なので、たくさんの組み合わせのカラメルをご用意しようと思っております」
一種の、プリンのカラメルバイキングみたいなものか。
「その中に、薗花様のカラメルも2、3個混ぜてみませんか?」
「い、いいんですか⁉︎」
実際に食べてもらえるんだ‼︎
「はい。でも、お召しになるかならないかはお坊っちゃま次第です。
今回のご夕食は、バイキング方式にさせていただくつもりです。
今から、ぜひ薗花様もお作りください。」
こうして、私の調理が始まった。

