さて、頑張ってマスターしなくちゃ!
中に入ると、4人くらいのコック帽を被った人がいた。
少ないな……。
街詰家にはこれの倍以上はいるもん。
「こんにちは!」
まだ夕食の具材を切り始めたばかりのようだ。今から用意するみたい。
「君が……」
「はい、街詰家のメイドの薗花です。
無理を言って申し訳ありません。
でも、どうしてもマスターしたいのです。
どうか、私に教えてくれませんか」
私はしっかり頭を下げた。
「頭を上げてください。
私達はあなた様に頭を下げられるような身分でもありませんので。」
と、一番この中で偉そうな人に言われる。
そして、私は顔を上げた。
「今時、立派なお嬢さんだ。
教えることは全然構わないよ。
ただ、教えても、すぐにできるわけではないことをわかってくれ。」
「百も承知でございます。」
「その意気込みだ。
では、まずは見といていただきたい。
そして、お坊っちゃまの料理に必要なものを自分で探しておくれ」
「はい、」
そして、調理が再開された。

