なるほど……。
社長さんとかも、毎回変わる執事さん達の顔なんて覚えていられないもんね。
だから、服で判断してるんだ。

だから、もし私が学校の制服で、この杉浦家の本館を歩いていると、捕らえられるか追い出される。


じゃぁ仕方ない、最近はこの制服にも慣れてきたからいいか…。



ここのメイド服は街詰家のものよりも露出が少なくシンプルなもの。

私はこっちのメイド服の方が好きかな…。
ちょっと露出が多いものは恥ずかしいね!



「わかっていただけたでしょうか?」



「はい、メイド服にはなれておりますので、お気になさることはありません」



「そう言っていただけて光栄でございます。
それでは本題へ移りましょうか。」



「はい。」



そう、ここに来たのは、杉浦圭馬様のお食事の好き嫌いの調査だ。
絶対なんとかしてみせる…



「お坊っちゃまは本当に好き嫌いが多く、食べれるものも限られております。
その好き嫌いというのも、別にこの料理が食べられない、というわけではないのです。

お坊っちゃま好みの味付けにするのが難しいのです。

味付けが好みのものであれば、お坊っちゃまは全ての料理を食べることができるのですが…。


だから、薗花様。
わざわざお越しいただきましたが、無駄足であるかもしれませんね……。」




確かに無意味なのかもしれない。

きっと杉浦圭馬様の食べるお食事を作っておられるは何年もかけて、作ってきたんだ。

それだけの根性がいる料理…私が作れるの?


でも、作らなきゃいけない。

私は街詰家のメイドだから!




「私は無駄足であったとしても、やり遂げます。何としてでもマスターしたいのです!」