「相変わらず大きなお家……。」


思わず口に出てしまう。

財閥家はどこでもこんなにでかいものなのか……。



「あなたが薗花様ですか?」



「あっ、はい!」



ここの家の執事さんなのかな?
執事服らしき物を着た白ヒゲの背の高いおじさん、いや、おじいさん?が立っている。
じいや、って呼ばれる人に当たりそうな感じ。
本当かはわからないけれどね。



「お待ちしておりました。
中へ案内しますので、こちらへ起こし下さい。」



私は"はい"と返事をして、じいや……的な人について行った。




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「あの……これは……?」



家の中に入り、メイドさんに案内されたまでは良かった。
その後、いきなり小さな個室に入れられ、おばさまって感じの、メイド服を着た人に制服を脱がされて、そして、なぜかここでもメイド服。


なんで?
私、ここのメイドじゃないんですけど…。



「申し訳ございません、薗花様。
ここ、杉浦家の本館には、基本お客様は通さないことになっておりまして、
もし入る場合には、職業ににあった服装をしていないといけないのです。

杉浦家では毎日のようにメイドや執事、シェフが増えては減り、増えては減りを繰り返しておりますので、全員が制服を着ていないと不審者と扱われてしまうのです」