私が廊下で次の料理を考えながらボーッと歩いていると、久々に会いました。新実さんに話しかけられた。
「お久しぶりです‼︎
何かご用でしょうか?」
「えぇ……ちょっと……
気になることを耳にしたもので…」
「気になること?」
「……相手様に……好き嫌いが多くあるみたいで…」
「す……好き嫌い……ですか…」
「はい……それも、えらく極端だそうで…私は詳しくは知らないのですが……一応、知らないよりはいいのかと思いまして……」
「いえ……わざわざありがとうございます……」
「大変だとは思いますが、頑張ってください」
「はい……」
そう言うと、新実さんはまた長い廊下を歩いて行った。
バカだ……。
私は、男の人なら好き嫌いなんかないだろうと思ってそんなこと考えずに料理してきた…
まず、好き嫌いが極端って何?
はっきりしてるってこと?
そんな人に作る料理は、本人に会って、何回も食べ比べをしてもらわなければならない。

