「あ、……芙夏君……チャイム…とっくに鳴っちゃったけど…どーしよっか?」
俺が薗花を引き止めて質問している間にチャイムは鳴っていたようだ。
でも、薗花は"戻ろう"ではなく、"どーする?"と、聞いてくれた。
俺といたくない、とは思われていないようだ。
それだけで俺の心は軽くなった。
「……サボらねぇー?」
こんなこと言ってよかったのだろうか…。
俺は基本授業はサボってるから慣れてるけど、薗花はいたって真面目の高校生なんだよな?
でも薗花の答えはYesだった。
薗花は黙って頷いた。
「私、途中棄権?しちゃったし。
だからこそ……もっと手伝いたい…し?
それに……ここまで来たら…
学年で一番になって欲しいしね☆」
そう、この課題研究は最終的に、学年で1番上手く発表できた人が選ばれ、表彰される。

