薗花が驚いて悲鳴を上げる。
それもそのはず、俺が薗花の腕を引っ張ったからだ。
そして薗花はバランスを崩して、机に転けかけた。
でも、今はこの場にいる誰よりも俺が驚いている。
薗花が終わりと言って、立ち上がろうとした時に見えた胸元。
普通ならすぐに目を逸らすとこだが、そういうわけにわいかなかった。
薗花の胸元に一際目に付くものがあったから。
あれは……紛れもなく……
"キスマーク"
だった。
え、薗花って誰かと付き合っていたのか?
出会って間もないから、そういう話はしたこともなかったけど。
というより、個人的な話をお互いにしたことすらなかったけども。
「あの…芙夏君?どうしたの?」
薗花は俺に片手を引っ張られ、片手を机について、俺の方に乗り出している状態。
「お……前さ………、今……付き合ってるの?」
俺は自分で自分に爆弾を落とした気がする……。
聞かない方が良かったか?
確かに、何回か喋ったりする機会はあったものの、こういう恋バナとかする関係ではまだないはず!
あー、!
言わない方が良かったかもしれない!!!!!!
「つっ、付き合う!?
わっ、私が!?
付き合うって、アレだよね…男女があのっ…交際する…やつですよね…」
「あっ……うん………そうだけど…」
「そっ、そんなわけないじゃん!
私みたいなやつと付き合う物好きなんていないよぉー(笑)」

