「いいの!
私は役に立てたらそれでいいの。
お金なんていらない。」
これは本当のこと。
お父さんの娘として私は選ばれたんだ。
なのにお金をわざわざもらおうなんて思ってない。
お父さんの役に立ちたい。
「律儀なんだから…
いつか騙されるわよ⁇」
「そっ、そんな事されないよぉっ‼;」
「でもでも、
その家にイケメンいるかもしれないわよね♪
だって、お金持ちの家でしょ!?
イケメンの王子様がいるものでしょ!?」
心愛の妄想が勝手に膨らむ。
「いないよ。
私と同い年のお嬢様と二つ下のお坊ちゃまがいるだけで。」
これは、お父さんに昨日聞いたこと。
名前も聞いたんだけど…何だっけ!?
「じゃぁ、その年下君がイケメンなのね‼」
心愛の目がキラキラ輝いている。
心愛は昔からイケメンを眺めるのが好きだった。
本人は目の保養って言ってたけど。
その割に彼氏を作らないんだよね。
"この人は私の王子様じゃない"
なんて言っちゃって。
私にとったら、告白されるだけでも羨ましいよ。

