「嫌な予感はしてたんだよ。
じーちゃんが家に帰ってきて、いい事あった記憶なんてねーし。……。
んでさ、案の定、俺の結婚の話だったわけ。許嫁がいるんだよ、
って言われたの。
でも、いまさらこの歳になって、"は⁇"って感じだしさ。
俺の意見なんて聞いてくれなくて。
今週の日曜日に一緒にお食事会だってよ。
俺に今、彼女がいるなら考え直したけど
、いないんだろ?
とまで言われた。
確かに彼女はいないけど好き人はいるし…
許嫁とか、俺が一番嫌いなやつだし。
親の言いなりになって、なんでも決まる人生だけは送りたくないんだ!
俺は自分で決めたいんだよ!!!!」
圭馬の意見はもっともだった。
確かに、圭馬はただでさえ一般の家よりも金持ちで、恵まれてるのかもしれないけど、なかなか親には逆らえないのだろう。
だから、今悩んでることもなかなか誰にも言えないんだ。
「日曜日にちゃんと会ってきてさ、断ればいいじゃん⁇」
「それもできるかわかんねぇ……。
結婚するとなると、多分、政略結婚…だから………。」
「はぁっ!?」
圭馬の家はまぁ、財閥で、
その上、圭馬のお父さんは独自でアクセサリー会社の経営を始め、有名店に。
「何て会社の娘なんだ?」
「街詰って会社。
有名な宝石店の一つだよ。大手企業だしね。……ほら、もう政略結婚としか思えないだろ?」

