「ごめんな、蒼要。
お前がいい事あったんだろーなってのはわかったんだけどさ……。
イライラする事がありすぎて。
処理できてないんだわ……。」
「そか……。
……………どういう系?
恋愛系⁇家庭系⁇」
圭馬の目は真剣そのもの。
思いつめすぎなんじゃね?ってぐらい。
「………どっちも。」
理事長の息子ともなれば、家族間での悩みもあるだろうし、好きな子のいる圭馬にとっては、恋愛の悩みもあるのだ。
「きいてくれよ……。」
「うん。」
圭馬が話し始める。
「昨日さ……とうとう見つけたんだよ、裏庭で…あの子を。」
俺は頷く。
あの子というのは、圭馬の好きな、圭馬曰く、美人の子。
でも、見つけたのならいいニュースなんじゃね?
「それですげー、浮かれてたわけ。んで近づいたの。話しかけようと思ってさ。
そしたらさ、告白の最中だったの。」
「はぁー!?」
「もう、最悪。」
「それ、本当に女の方から告ってたのか⁇」
「わかんない。俺が見た時は、もう別れて帰って行くところだったから。」
「そうか…」
それは確かに辛いな。
好きな人が自分の目の前で他の人に告白。
無理、絶対に耐えられない。
「その足取りで家に帰ったの。」
圭馬のいつもの取り柄の元気はなくなり、ほとんど机にうなだれてる状態だ。
「そしたらさ、珍しくじーちゃんが帰ってきててさ…」
圭馬のおじいちゃんイコール、俺らの学園の学園長。
学園長は大抵、圭馬の住んでいる家よりも、学園に近い実家に住んでいるらしい。

