"跡継ぎがこんな傷を残してっ……"
"こんな事で怪我をするなんて、まだまだ未熟じゃ"
"まだ服で隠れるだけ良かったわね。でも水泳の授業はどうやって隠すつもりなの?"
誰も……俺の心配をしてくれない。
“俺の事よりも家柄の方が、世間体の方が大事なんだ。”
そんな事しか考えられなかった。
階段から落ちた時は本当に死ぬんじゃないかと思った。
だから俺的には傷だけですんで嬉しかったんだ。
それなのに、誰も心配してくれない。
学校では同情しかされない。
本心で…俺の事をわかってくれる奴はいないのかよ…っ……。
まだ小学3年生だった俺には、難しかった。
これから自分がどうして行けばいいのかわからなかった。
そんな中で、心配もせず、世間体も特に気にしない祖母だけが……
"蒼要がその時生きていたという証が体に刻まれたんじゃ"
と、俺に言ったんだ。