だめ…だ…私…なにしてるんだろ…
相手は…純平なのに…何で……震えてるんだろ……?
「珠実………っ、……お前っ……
何で言わなかった!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
純平は上から下まで私を見たあと、何かに気づいたかのように叫んだ。
「また……父親が帰って来てるのか…?」
「…………純っ……ぺっ……」
あぁ…涙が出てきちゃった。
純平が気づいてくれるなんて思ってなかったんだもん…。
「足のあざ…どうしたんだよ…
また……殴られてるのか⁇蹴られてるのか⁇
右目の目尻にも…怪我してる…
俺は何もしてやれない?」
純平の優しい言葉で涙が止まらない。
「俺に……もっと頼れよ………。
バカ珠実………」
そう言うと、純平は優しく私を抱きしめてくれた。
何でだろう…さっき腕を掴まれた時は怖くて拒絶してしまったのに、今、抱き締められていると、純平に触られたところが温かくなる。
「お前はいつも一人で抱え込む…。
俺が信じられない⁇」
私は大きく首をふる。
「じゃぁもっと頼れよ………。」
純平が手で私の髪をすくう。
気持ちいい。
父親に触られると、触られた部分は冷たくなって、嫌だったけど、純平は違う。

