すると突然、戸口で大きな鈍い音が響いた。

「…なにかな」

私はぼそっと呟き、戸口に駆け寄る。

「……っ!つる葉ちゃん!」
「……美桜姐さんっ」
「楼主まで…どうしたんですか…!?」

そこに居たのはつる葉ちゃんと楼主、それと一人の男。

つる葉ちゃんは今にも泣き出しそうな表情でこっちを見た。

「水揚げしてやるって言ってんのにつる葉が聞かねぇんだよ」

男が言う。