侍先生!

「…姫条!」


先生に腕を捕まれ、ドキッとした。
その瞬間に、涙はどこかに吹っ飛んだ。


「ハ、ハイ?」


ドキドキしながら、先生の目を見つめる。


「あ、いや…。 元気出せよ?」


先生はそう言った。


…元気無いの、バレちゃってたんだ。


「じゃあ、先生。 また私と信長ごっこ、してくれる?」


そう言うと、先生は笑った。


「もちろん。 テストが終わったらな?」


そう言われると、私も笑顔になった。


先生が笑っていると、私も嬉しい気分になる。


私は、スキップして、家に帰った。


家に帰って、夕飯を食べたあと、カツオに勉強を教えてもらった。


今日の告白の事、聞こうと思ったけど、覗き見してたなんて言ったら怒られるよなあ…。
私は黙って、勉強に集中する事にした。


そして、美智子ちゃんとカツオのおかげで、平均点は取る事ができた。
テスト休みは皐月と和也くんと明石くんとで遊んでいた。


終業式も終わって、夏休み。
ミーンミーン、と鳴くセミの声に苛立ちを覚えながら、生徒会の手伝いに来ていた。