侍先生!

美智子ちゃんは、教えるのが上手くて、すぐに問題を理解する事が出来た。


暗記は不安だけど…なんとか、なるかな?


「まいちゃん、勝男くんに教えてもらえばいいのに。 学年首席でしょ? 勝男くんって」


「へ? そうなの?」


「そうなのって…知らなかったの?」


「うん、だってこの学校は成績を公表したりしないし、本人とそんな話しないし」


美智子ちゃんは、『そうなんだあ』と、呟いた。


「美智子ちゃん、何でそんな事知ってるの?」


「え!? えええええと…それは」


「成績の競い合いでもしてるの?」


私がそう言うと、美智子ちゃんは口を動かしたが、何を言ってるのか分からなくて、首を傾げていると、困った顔でまた口を開いた。


「勝男くんが、好きなの」


…………好き!?


すき、スキ、SU・KI!?


「そーなの!? 美智子ちゃん!」


底の方から混み上げてくる、このテンションは何なのだろう。


私は椅子から立ち上がっていた。
私も、高校生の女子って事か!