侍先生!

そうだ。日本史は問題無いんだった。


問題なのは、数学はもちろん、英語…国語…化学と生物…それから…


「なんなら俺が勉強見たろか?」


背後からそう言ったのは、せいじだった。


「せいじに教えてもらうなんて、絶対やだ!!」


「なんや、人が親切にしてやってんのにその態度は!」


「テストの内容教えてくれるなら別だけどー!」


「出来るかー!」


せいじと喧嘩してる暇は無いのにぃぃぃ!!


私は頼る相手が見つからず、廊下を彷徨っていた。


「あ、まいちゃん! また会ったね」


…美智子ちゃん。


そういえば、美智子ちゃんは成績優秀だった。
私は美智子ちゃんの手を握って、頭を下げた。


「私に勉強教えてくださいぃ!」


美智子ちゃんは、目を丸くしていた。