侍先生!

「侍先生、仕事?」


「う~ん…。 まあ、そうゆう事にしといて」


俺はそう言って、裏庭に向かった。


まだ、来てないみたいだ。
俺は、下に落ちている紙ヒコーキを拾って、広げた。


姫条まい、13点。
…面白いもん、見つけてしまった。


しばらくすると、女子生徒が来た。
俺が謝ると、その子は逃げるように去っていった。


俺は、ため息をついて、物陰に隠れている奴に、


「…悪趣味」


と言った。


誰かって?姫条だ。


「えへへ。 ごめんなさい」


「別にいいけど。 誰にも言わないでね」


「分かった、けど…あの子、何で泣いてたの?」


聞いてた訳じゃないのか。


「もしかして、先生。 告白されてたの?」


正解、とでも言うように、俺はコクン、と頷いた。


姫条は、驚いたような顔で、俺を見ている。


『え?こんなオッサンが好きなのー?あの子シュミ悪―い』
なんて思ってんじゃないだろうな。


勝手に想像してむかついたので、さっき拾ったテストで虐めてやった。