「…振られたんだよ」


心惹かれちゃった!!
…じゃなくて、振られた!?


「なんで!」


「分からない。 もういいだろ?」


振り向いた先生は、悲しそうな顔をしていた。


私はその顔を見ら、力が抜けてしまって、先生のパーカーから手を離した。


先生はその後、何も言わずに、資料室を出て行った。


先生が、振られちゃったって…!!


「なんか、ちょっと喜んでる自分がいるんだけど…! ぬぉぉ~!! この邪念を取っ払ってくれぇ~!!」


一人で悶えていると、資料室のドアが開いた。


「何やってんの?」


「邪念と葛藤してるの。 …キミ、誰だっけ?」


「明石だよ! このやり取り何回目!?」


怒る明石焼きくんをよそに、私は先生が気がかりだった。