侍先生!

「海が、お気に入りの生徒がいるって言って、よく話聞いてたの」


…お気に入りの生徒?私が?


「私、歴史関係って疎くってね。 信長がどうとか言われても、全然分かんないの」


「そうなんですか?」


「うん、でも、生徒で歴史の趣味が合う子がいるーって、嬉しそうに言ってた」


確かに、歴史の趣味は合うなぁ。


…ってゆうか、歴史の趣味って何?


「…海を、よろしくね?」


「え? よろしくされてるのは私の方なんですが」


そう言うと、彼女さんは微笑んだ。


その後、動物園の中を満喫して、あっという間に夕方になった。


「じゃ、ここで解散。 お前ら、早く帰れよ」


動物園の門を出ると、先生はそう言った。
私は明石焼きくんと一緒に帰ることにした。


「先生の彼女さん、きれいだったね。 先生もかっこいいし、お似合いだよね」


「うん、確かに」


「あ! でも、姫条さんも可愛いから、先生とお似合いだよ!」


「へ!?」


「姫条さん、倖田先生の事、好きなんでしょ?」


へ!?


…この子は何を言うの!!