侍先生!

「無理して、『呼べ』なんて言うなよ」


「だって、見たかったんだもん」


私は、腕で涙を拭った。


「目がパンダになってる」


「うるさいなぁ」


「ほら、行くぞ。 もうすぐ動物園着くんだから」


「動物園? 今日、動物園が課外授業?」


「なんか文句あんのか?」


「ある! 小学生じゃないんだから、もっといい所連れていってよ! 信長博物館とかないの?」


「それはお前の好みだろーが」


私がガックリと肩を落とすと、先生は笑った。


「まったく、お前はほんと、困った生徒だな。 …もしあったら、今度一緒に行くか」


「え!?」


そ、それって、デート!?