「好きだ、まい…」
そう言われ、近づく顔。
先生の唇が、私の唇と重なる。
ただ触れるだけの、キスだった。
「やっと、ちゃんとしたキスができたな」
「そそそそそそ、ソウデスネ」
「どうした? 顔真っ赤だぞ、お前」
と、笑う先生。
…むかつく!
「し、しかたないじゃん! 慣れてないんだから!!」
「ははは、そうだな」
それに、相手は侍先生だし…。
私の顔の熱は、まだ引かなかった。
「わ、私は…先生と恋人同士になった事を、ここに宣言します!」
「ぶ! なにそれ。 何の真似?」
「さあ?」
笑って、先生の車に乗り込んで、家まで送ってもらった。
明日からまた、先生と生徒。
だけど、恋人同士…なんて、すごくくすぐったい関係。


