侍先生!

「でも、俺はまだ、真帆の事が頭から離れてないんだ。 こんな状態で、お前に気持ちを伝えたりは出来ないと思ってた。 でも、それはただ、真帆が何故、いきなり俺に別れを告げたのか、気になったから。 修学旅行が終わったら、真帆に会いに行こうと思う」


真帆さんに…会いに?私のなかで、不安がよぎった。


「それって、よりを戻すって事?」


「…お前、人の話ちゃんと聞いてたか?」


「聞いてたよ!」


先生はため息をついた。


…な、なによう。


「こんな中途半端な状態なままじゃ、お前と恋人同士になれないだろ? だから、ハッキリさせに行くんだよ」


「こここここっここ、恋人同士!?」


「え? そうゆう事になんだろ?」


そーなの!?と、私は顎がはずれそうなくらい、大口を開けた。
先生は、そんな私の顔を見て、笑った。


「嫌なのかよ?」


「い、嫌じゃないけど! いいの!?」


「お互い好きなら、いいんじゃないの?」


そ、そうだよね…。何をテンパってるんだろう、私。
いや、テンパるもんでしょ、普通!


「私も、侍先生が好き」


「いい加減、その“侍先生”って呼ぶのやめてくれる?」


「えー」


かっこいいじゃん、侍先生って!
と、先生に言うと、先生は珍しく爽やかに笑って、


「問題が解決したら、下の名前で呼んでくれよ。 まい」


………ま…!


「まいって! 先生、今…まいって!」


「何か言ったか? 姫条」


「わああああん! 戻ってるー!!」


もう一回呼んで!と先生に抗議してみても、呼んでくれなかった。


恋人同士になったら…名前で呼んでくれるって、期待してもいいんだよね?
と、心を躍らせながら先生と大阪の街を歩いた。


「信長ごっこin大阪!」なんて言って信長ごっこをしたりして。


でも、不安もよぎる。


真帆さんと、先生の事。
真帆さんは、先生の事…まだ、好きなのかな?


まだ好きだったら…どうしよう。
私に勝ち目はあるのかな…。