侍先生!

「このままでは…いつまでたっても戦は終わらぬ! 信長の首を取るぞ!! 敵は清水寺にあり!!」


と、ちょっとアレンジをしてみる先生。


「謀反か! 光秀…。 是非に及ばずじゃ!」


超テンションあがる!!


私はキャッキャとうかれて信長ごっこをしていた。
あまりにはしゃぎすぎて、こけそうになった。


「姫条!」


………ゴン!


………はれ?


「…先生」


「な、なんだ」


「オデコがぶつかりました」


「そうだな」


「つ、ついでに…唇も」


「…そうだな」


こけそうになった私を、先生が受け止めてくれたんだけど、先生も足をすべらせてこけてしまったらしい。その拍子に…デコと唇が…。


「え?え? 一昔前の少女漫画的展開?」


私は顔を真っ赤にしていた。


「立てるか?」


「い、いえす」


「ケガは?」


「してないです」


先生は、ただ『そうか』と言って先を歩いた。


これは…事故ですよね?
…あ。もしかして、さっきの縁結びの効果が今!?


早いな!!


「ごめんな、なんか」


「え!? いえ!! むしろ、ラッキーってゆうか…」


「お前、考えがおっさんだな。 まあ、気にしてないならいいけど」


「…先生は、気にしてる?」


「まあな」


まあな、って何!?
気にしてるかしてないのか…。


「唐辛子とあぶらとり紙、買いに行くんだろ。 行くぞ」


ほ、ほんとに気にしてるの?先生?
普通すぎて、逆にショックなんですが…。