侍先生!

「ありがとうございます! もし写真撮るんだったらお礼に撮りますよ!」


…まじで?


「先生!」


「なんだよ」


「しゃしん! 写真とりましょーよ!」


「ああ、そうだな」


先生と私は柵の方に移動して、ポーズを決める。


「今、写真撮るとき、どうゆうポーズとるんだよ」


「え? 親指と人差し指で丸つくって裏返して…」


「ほうほう」


「目に当てて、ウルトラマン!とか」


「古い!!」


「じゃあ、普通にピースでいいじゃないですか」


「お前…芸無いな~。 まあいいや。 それで」


文句の多い…。
と心の中で呟いた。


写真をとってもらって、ご機嫌な私。
清水寺の舞台の下を覗き込んでみる。


「ふわ~! 高い!」


「おい、危ないぞ。 あんま身を乗り出すな」


「先生! ここで信長ごっこしよーよ! 楽しそう!!」


「それは俺が言いだした事だろーが」


「あはは。 そうだっけ?」


先生と私ははしゃいで、信長ごっこをした。
通行人が見ようと気にしないで。