「まいちゃん!」


教室の入り口でそう叫んだのは、美智子ちゃんだった。


「ちょっと手伝ってもらいたい事があるんだけど、いいかな?」


「うん、いいよー」


と、笑顔で答える。


…あ!
美智子ちゃんとカツオを応援するって言ってたけど、よくよく考えたら、私はカツオに告白されちゃったんだ!


これって、美智子ちゃんと私はライバルって事になるのかな?


「まいちゃん、勝男くんに告白されたの?」


胸のあたりを鋭利な刃物で突き刺されたような感覚が走った。


私はその場に倒れこんだ。


「ま、まいちゃん! 大丈夫?」


私は胸のあたりをつかみながらうずくまる。


「な、なんで知ってるの?」


「え、えっと…なんとなく。 今日、朝二人をみたんだけどなんかよそよそしかったし」


い、いつもどおりにしてたはずなんだけどな…。


「あ、あのね! 私は別に気にしてないよ?」


「へ?」


「はじめから、知ってたし」


はじめから…知ってた?


「うん。 私が好きになるまえから、勝男くんはまいちゃんが好きだったんだろうって。 好きだから・・・分かっちゃうんだよね」



美智子ちゃんは私の手を引っ張って立たせてくれた。


「それでも好きだから…頑張るね!」


「う、うん…」


美智子ちゃんの笑顔は、キラキラと輝いてるように見えた。
私は…どう頑張ったらいいのかな。