侍先生!

「なに? 俺とじゃ嫌なの?」


カツオが真顔でそう言ってくる。


別に嫌ってわけでもないんだけど、とりあえず私は先生と見回りがしたいんだよおお!と叫びたくても人気の多い廊下では言えなかった。


「ま、お前の言いたい事は分るよ。 だから先生が帰ってくるまでは相手してやろーって思ったんじゃん」


「嘘! 先生がどっか行く前に邪魔しにきたくせに!」


え?そうだっけ?
と言う様に首を傾げたカツオ。


「細かい事は気にすんなっ! 男だろ!!」


「女なんですけど…」


「そーでもいいからさっさと行くぞ!」


えええ?
行くってどこに…。


私はしぶしぶ、カツオについていった。


たこやき食べて、輪投げして、駄菓子取りやって。


こんなに遊んだというのに先生からの着信は無し。


駄菓子を腹にかかえて廊下のはしっこにうんこ座りをする。
変化の無い携帯のディスプレイを眺めていた。


「よし! 次はあれいくぞ!!」


「あれ?」


カツオが指さしたのは、おばけ屋敷。