侍先生!

「今はまだ無理だけど、いつか…返事してもいいか?」


真剣な顔で言う先生。
私は目をそらした。


「…いらないです」


「なんでだよ」


「いちいち振られるのは嫌です。 ちゃんと分かってますから気にしないで下さい」


「そうじゃなくて…」


私は、そらした目を先生の方へ向ける。


「そのかわり、今日だけは恋人気分を味わわせてください」


今日だけでいいから。


また、真帆さんと先生が寄りを戻す時、笑顔でいられる様になれるように、頑張るから。



「さ、先生! イルカショーに行きましょう!」


先生の腕を引っ張って、イルカショーの会場に向かった。



先生と、真帆さんが元通りになる事、本当に願ってる。


でも、まだ少し悲しい気分だけど、先生が悲しいのは、もっと嫌だから。


先生には、笑顔でいてほしいから。


真帆さんも、大好きだし。
不満は何も無いはず。


私が、先生への気持を、我慢すればいい事だから。