侍先生!

そう言うと、先生は三回ほど連続で瞬きをさせた。


「お前と、真帆が…体育祭の日に?」


「はい、真帆さん…学校に来てたんです」


先生は、少し眉間にシワを寄せてた。


「真帆さんと約束したんです。 絶対話さないって。 …でも、どうしても先生に伝えたくて……真帆さんは、先生の事が嫌いになったわけじゃないです。 まだ、好きだと思います」


しばらく沈黙が続いた。


先生は、窓の外も見ないで、床に目線をやっていた。


…嬉しいのか、ショックなのか、先生の顔を見ただけじゃ分からない。


ただ、不安だけが胸に残る。


「あと…、どうでもいいけもしれませんが、私はカツオの事、お兄ちゃんみたいに思ってます。 好きだけど、そう言う好きじゃなくて…」


先生は私の目を見た。


ちゃんと、言おうと決心した。
遅いかもしれないけど…でも。


「私は、侍先生が好きですから!」


そう言うと、先生驚いた様な顔をしていた。
先生は頭をかかえて机に顔をつけた。


「先生?」


「…すまん。 ちょっと混乱…」


そ、そりゃそうか。


真帆さんの事と、私の告白。
いっぺんにされたら混乱するよね。


…反省。