結局、ビジネスホテルに泊まることは出来なかった。
客間に準備された、いつもの布団。
かのこしか使った形跡がない、かのこの匂いのする羽毛布団。
お風呂に先に入るよう言われ、食事の後片付けの後すぐにバスルームに入る。
アメニティも、いつものように準備されていた。
如月がどれだけかのこが来るのを待ちわびていたのか、手に取るように分かる。
断れなかったのはそれだけ…じゃないのかもしれない。
抱きしめられて、寂しいと感じたあの瞬間。
理解出来ない感情があるような気がして。
かのこは如月のマンションから出ることができなかった。
バスルームから出てリビングへ行くと。
ノートパソコンをカタカタと触る後ろ姿が見えた。
「お風呂…先にいただきました。ありがと…。」
スッピンを見せるのは恥ずかしくない。
ずっと小さい時から一緒だったから、今更な感じがして。
振り向いた如月はふわっと笑う。
「かのこはスッピンのがいいな。柔らかい感じがして俺は好きだな。」
…スッピン褒められたら、なんか複雑。
「部屋の準備で足りないものあれば言えよ。
俺も風呂に入ってくるわ。」
立ち上がる彼の背中を眺める。
昔より大きく感じる背中。
逞しい腕。
筋肉質な胸元。
意識して見たことがなかったせいか、いつもとは違う雰囲気がして少しだけドキドキした。
客間に準備された、いつもの布団。
かのこしか使った形跡がない、かのこの匂いのする羽毛布団。
お風呂に先に入るよう言われ、食事の後片付けの後すぐにバスルームに入る。
アメニティも、いつものように準備されていた。
如月がどれだけかのこが来るのを待ちわびていたのか、手に取るように分かる。
断れなかったのはそれだけ…じゃないのかもしれない。
抱きしめられて、寂しいと感じたあの瞬間。
理解出来ない感情があるような気がして。
かのこは如月のマンションから出ることができなかった。
バスルームから出てリビングへ行くと。
ノートパソコンをカタカタと触る後ろ姿が見えた。
「お風呂…先にいただきました。ありがと…。」
スッピンを見せるのは恥ずかしくない。
ずっと小さい時から一緒だったから、今更な感じがして。
振り向いた如月はふわっと笑う。
「かのこはスッピンのがいいな。柔らかい感じがして俺は好きだな。」
…スッピン褒められたら、なんか複雑。
「部屋の準備で足りないものあれば言えよ。
俺も風呂に入ってくるわ。」
立ち上がる彼の背中を眺める。
昔より大きく感じる背中。
逞しい腕。
筋肉質な胸元。
意識して見たことがなかったせいか、いつもとは違う雰囲気がして少しだけドキドキした。