「でも……お前が寝言で“蓮さん”って連呼するから、手を出せなくなったんだと。……ったく、危なっかしくて仕方がない」
くしゃりと前髪を掴んだ蓮さんは、私を睨みつつ、その顔は真っ赤に染まっていた。
そして、ゆっくりと足を進め私との距離を縮める。
「カンナ」
「は、はいっ」
「……もう二度と、俺から離れるな」
吸い込まれそうなほどに澄んだ蓮さんの瞳に見つめられ、私は金縛りにあったみたいに足が動かない。
かろうじて動く口が、彼に問いかける。
「……それ、って」
「昨日は色々ぐちゃぐちゃ言ったけどな……もし蘭がお前に手を出していたら、と考えると、それだけで頭に血が上るんだ。
俺はどうやら本気で……」
ふわり、蓮さんの手が私の頬に触れる。
そこから伝わる熱が、私への想いを物語っていた。
「――お前のことが、好きみたいだ」
「蓮、さん……」
また、泣き虫って言われちゃう……
でも涙が止まらない。
顔を隠そうとする私の両手を蓮さんが強引に取り去って、唇に素早くキスを落とした。

