【side りか】
事件の起こる数十分前。
アタシは早苗と花織と地元のスーパーに来ていた。
早苗と花織は買い物に行ってる。
アタシは面倒だったから休憩スペースに座って待つ。
最近はずっとだんご虫の言った言葉ばかり頭に浮かんでた。
『あなた達の闇がどんなに深くても、私は必ずあなた達に光を当ててみせる…!
助けると一度決めたら、私は最後まで諦めない!』
この言葉を思い出す度、イライラしてくる。
アタシ達の闇?
そんなのアンタの強さじゃ、光は当てられない。
アタシらの努力なんて何にも知らない奴が出しゃばるなよ。
でも逆に、こんなアタシらでも光が当たるのかな?なんて考えも出てきた。
こんな悪さしかしてないアタシらでも、光は照らしてくれるのか。
「……ハ!くだらないな。
このアタシがだんご虫(あいつ)の言葉に乱されるなんて」
誰の言葉も聞かず、アタシはアタシのしたいように生きるって決めてたのにな。
まぁ、アタシに口を挟んでくる奴なんかいなかったけど。
だんご虫が初めてかもな。アタシの生き方に口を挟んできたのは。