綾女がずっと私の傍にいて慰めてくれてたけど、そんな声でさえ遠くに聞こえた。



慰められたって彼方はいないんだよ?



もう声も顔も彼方の全てを見て、聞いて、感じること出来ないんだよ?



そう思ってしまうと、前向きに生きようとすることが無意味に思える。



私にはもう守りたいものも生きる意味もなくなってしまったから。



それなのに上を向いて歩くなんて、出来るわけない。



彼方が私の生きる意味だったんだから。



その彼方がいない。



私の生きる意味がなくなったも同然。



彼方がいなくなってからずっと部屋にいたから、もうどうやって生きてきたのかさえ忘れかけてしまってる。



思い出そうとすれば思い出せるけど、思い出せば必ず彼方のことを思い出してしまう。



それでまた悲しくなるから、考えないようにしてきた。



悲しみから逃げるようにして一週間過ごしてた。



泣き過ぎてもう涙が出ない。



このまま私が生きてたって、何か意味があるのかな?



だってもう私には何もないんだよ?



空っぽの私がこの世に生きてたって何の価値もないんじゃないの?