素敵な人だったな……。
ぼんやりとあの赤い唇を思い出しては、溜め息を零す。
湯気から香るコーヒーの匂いにハッとし、ミルクを入れ、お砂糖を少しだけ加える。
両手に伝わる温かい熱と、このお店自慢のコーヒーのおかげで、ホッとする。
窓から見える街には、クリスマスのイルミネーションが、ちかちかと光り始めていた。
もう、あれから3ヶ月が経って。
クリスマス、このまま一緒に過ごせたらいいな。
伝えたいキモチはいっぱいある。
だけど、これは千景さんに伝えない方が良いかもしれない。
まだ、千景さんと一緒に居たいから。


