赤ずきんは狼と恋に落ちる




「全く、人に助けられるまで何もしないなんて……。アンタ、馬鹿だね」

「すみません……」





彼の言う通りだ。

人に助けを求めてばかりで。

私は、何もしない。



何にも、変わってない。





「アンタがぼやーっとしてるから、こんな目に遭うんじゃない?」

「そう、ですよね……。ごめんなさい……」




ボソボソと小さな声で謝ることしか出来ない。


申し訳なくて、顔を上げることすら無理だ。




「……。そんなにぼんやりしてると、喰われるよ」

「はい?」

「何でもない」




不機嫌そうな声でそう言われるも、「そんなことはないはずだ」と思ってしまう。



学習しないな、私。