赤ずきんは狼と恋に落ちる




これは一体どういう状況なのか。


からかっているのか、もしくは






誘われているのか。



「島上さんっ、からかうのは、止めてくださ……」

「分からなかった?」

「え?」





「俺が、佐々木さんと大崎が別れて、喜んでたの」








何、それ……?




「佐々木さん、ふんわりしてて可愛いし、優しそうだし。


結構前から気になってたんだよね」





こんな時に、

こんな状況で、


まさかの言葉。




「でも……、私……!」

「大崎に振られて、寂しかったんじゃないの?」




グサリと突き刺さる、島上さんの言葉。




寂しくない、訳がない。

こんな歳にもなって、「面白くない女」と言われて、一方的に振られて。



1年も付き合ってきたのに。





「寂しかった、……ですけど、今はそんなこと、ないです」




そうだ。


今の私は、寂しくなんかない。