カーテンの隙間から差す日の光で、目が覚めた。
すぐに隣を見て、ほっと安心する。
気持ち良さそうに眠っている千景さん。
私に掛け布団をくれたのか、半分身体がはみ出している。
起こさないように、そっと肩まで掛け布団を掛ける。
傍に置いてある時計を見ると、まだ5時にもなっていなかった。
あと、30分だけ。
私も布団に潜り込み、そうっと千景さんにすり寄る。
温かい。
こんなに幸せな気分で朝を迎えたのは、いつぶりだろう。
私が少しだけ早く起きて、寝顔を見て、二度寝する。
泣きそうになるくらい、この時間が愛おしくて、幸せだ。
暖かい日の光に包まれ、またうとうとし出す。
今日は27歳の誕生日だ。
良い日になる気がする。
スタートから最高に幸せ。
千景さんは疲れているだろうから、私が朝食を作ろう。
何がいいかな。
日本に帰ってきたばかりだから、ご飯に味噌汁がいいかな。
そうだ、好評だった出し巻卵を作ろう。
千景さん、「美味しい」って言ってくれるといいな。
頬に触れる千景さんの体温に、規則正しい呼吸の音。
くすぐったくて、心地好い。
静かに目を瞑ると、私も二度寝に入った。
Fin.


