赤ずきんは狼と恋に落ちる




背中にガン、とドアの角が当たった。



もう着替え終わったのかな。

早すぎる。




「……りこ?」




慌てて立ち上がるのと同時に、ドアが開いた。




「ち、千景さん!何で上……!」




ズボンを穿いただけで、上半身は何も着ていない。




「ごめ……!俺何も見てへんから!でも、渡されたのこれで全部やったんやけど」




さっと視線を逸らされ、自分の身体を見て気付く。


顔に血が上っていくのを、こんなにも感じたことはない。




「ごめんなさい!!多分乾燥機の中にまだありま……っ」





恥ずかしくて逃げ出そうとしたその時。





後ろから少し強引に腕を引っ張られ、あっという間に、千景さんにぎゅうっと抱きしめられた。