「はっ?!いえ、そんなんじゃないです!島上さんとはただの同僚で……」
芳垣さんはわざと訊いてきたのかな……?!
それに、1回私が島上さんを断っているところを見たのは芳垣さんじゃないか。
「本当に?」
「嘘ついてどうするんですか……!」
ただからかっているような気もしたが、今日は仕事で来た上に、すぐ近くには千景さんだって居る。
後で何か訊かれてややこしいことになったら面倒だから、芳垣さんには黙っててほしい、というのが本音だ。
「佐々木さんただの同僚ってランク低くない?!せめて友達くらい言ってくれたっていいじゃん!」
横から島上さんがわざとらしく悲しい声で抗議してきた。
クリスマスの夜のテンションなのか、食前酒でもう酔っているのか分からないけれど、今はいっぱいいっぱいなのだ。
いつもみたいに察して下さい……!
グラスに残った食前酒をぐびりと飲み干し、島上さんの方をじっと見る。
「言っていいんですか?お友達だなんて」
仲良くしてくれるのはとてもとても有難いことなんだけれど。
一瞬の沈黙があった後に、にやりと笑って、
「やっぱり嫌かも」
なんて言われた。
……ほらね。


