赤ずきんは狼と恋に落ちる






写真が暗く、店内の写真だけしか見えない。


何となく千景さんのお店に似ているような気もするけれど、最近のカフェやバーはこんな感じだろう。




「今渡した雑誌には14位で、こっちの雑誌には8位。中途半端だけど、じわじわ人気があるみたいね」



ページの上半分にはワインやおつまみの写真と、落ち着いた雰囲気のカウンター席の写真が載せられている。




「ここが大注目される前にうちで採っておくのよ。佐々木この前の記事上手かったし、今回もお願いするから。いい?」



真剣な表情でこちらを見る課長に思わず気圧されそうになるが、ここで断るのもダメだ。




「分かりました。頑張ります」




それだけ言って、期日や取材日について話そうと課長を見ると、まだ何か考えているようだった。




「写真って言ったら、島上よね。よし、島上ぃー!!」



突然島上さんを呼び出し、ボールペンで島上さんの名前を書く課長。



微妙に重たい気分になりつつ、表情に出ないよう口元を引き締める。



島上さんは「またか」とでも言いたげな顔をしながらやって来た。




「何かミスがありましたか?!すぐ訂正しますんで……」

「取材で写真撮ってきてちょうだい」

「はい?」

「今回の記事の写真。島上担当ね。はいよろしく」

「はあ……、分かりました」



淡々と二人の話が進んでいく中、私一人だけ悶々と考え込んでいた。