(姉貴はあんな大盛りラーメン食えるのにな……胃袋のでかさまで別人格かよ)

まだ、夏輝は起きてこない。

幸い、新聞を取りに行ったあとは味噌汁に豆腐を入れてしまえば、僕が絶対にやるべきことは大して残ってなかった。

まさに幸いだ。

(もしかしたら一番幸いなのは、夏輝が起きてこないってことなのかもな)

アイツが、まだ話で聞いたことしかない、見知らない姉貴じゃない姉貴に出会ったら、絶対にわめくに決まってる。

そしたら、ぼろだってすぐに出してしまう。

(おねえちゃんなんで立ってんの!? ってゆーか、うっそ、マジで多重人格!? とかなんとか、そーんな感じで騒ぐに決まってるんだ)

家のことをするっていうのは、自然と家族を観察するようなものだ。

想像というか予想というか、それぐらいのシュミレーションぐらいは簡単にできる。