(だったら、だれが?)

謎が謎を呼ぶ状態の僕に、そして、

「ンン? お。おはよう」

快活なあいさつをしたのは、姉貴の声だった。

   、、
ただ、彼女は姉貴じゃない。

「うわ!?」

思わず、思いっきり後ずさりしてしまった。背中が痛く郵便受けにぶつかる。

「で、でで、出た!?」

そしてこれも思わず叫んだ僕に、彼女は、

「出たってなーに? 幽霊じゃないんだから、失礼ね。ちゃんと真乃って呼んでちょうだい」

悪びれもせずに訂正を求めてくる。

彼女の名前は、真乃。

姉貴じゃない、もうひとりの姉貴。

僕のリズムは、朝っぱらからとんでもない方向で、乱された。