いつも繰り返すからこそ、いつも繰り返せる僕は、すごい。ひたすらすごい。

そうしてすぐにきびすを返し、大股五歩で家の中へ戻る――その時、玄関がなぜか、ひとりでに開いた。

いや違う。内側から、誰かが開けたんだ。

(――ヘンだな)

と思った。

この時間帯に夏輝が起きてくるなんて絶対に、絶っっっっ対に! ありえないことだし、姉貴が起きてくるまではあと三十分はあるはずだ。

ありがちな発想で、泥棒か? とか思うけど、家の中からなんて、また妙だ。

家の中は僕が管理しているし、そんな気配しなかったし、第一、僕が出ていってすぐ逃げようとするなんて、バカだ。鉢合わせするとかわかるだろ、普通。