「ジィたぁごあいさつだなあ。俺ぁまだ五十五だぞ」

「ごじゅーごぉ~? げぇっ、フィフティファイブ! うぅっわ、化石じゃん、チョー化石ぃ!」

「あーん? 俺が化石ならお前、なまっちょろいガキじゃねえか」

「ガッ――! ……ふ、ふん。べっつにデンじぃにガキ扱いされたって、あたしは世間じゃみっずみずしぃ若者だし~」

「うぬぼれもそこまでいくと才能ってか?」

「な、なんだってこのデンじ」

「はーいっ、そこまで!!」

という、僕の制止がなければ夜が開けるまでやってる二人の頭を、

「ぁたっ!?」「ぬぐ!?」

べちんと一発ずつ、ひっぱたく。

「いつまでもやってないで、さっさとメシだ、メシ! 夏輝は姉貴呼んで。デンさんは手を洗ってこい!」

「……はぁーい」

「わぁったわぁった……」

「返事は短く一回で! ほらさっさと動く!!」

ひとつ教えておこう。

主夫は剣よりも、年輩よりも女子高生よりも、強いということを。