なんだか一昔前の発想、『主夫』という言葉を知らなさそうな彼に、僕は薄く笑った。

ついでに、肩もひょいと上下させる。

「夏輝が家事を覚えるなんて、あと半世紀先でもわかんないって。

それにアイツが台所に立ったら、家事じゃなくて火事が起こる。消火器と金がいくらあっても足りないよ」

「はっは、そりゃそうだ」

にかっと表情を明るくするデンさんに、さてと僕は単刀直入に訊く。

「で、今日はなんか用だったの?」

「おうっ、用ってほどでもねーんだがよ」

するとデンさんは、チラリ、と目線を泳がせた。