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僕らの住んでいる家の向かい側には、もう五十も過ぎた頃の、ひとり暮らしで小説家のおじさんがいる。
ちゃんとした名前は知らないけれど、この辺りじゃデンさんというあだ名で通っている、気のいい人だ。
その人が突然、我が家へと訪ねてきた。
「おぉーい、悪ガキ三人組ぃ、いるかぁ?」
姉貴はもう23、僕はもう18、夏輝はもう17だから、それぞれ『ガキ』なんて歳は卒業したつもりだけど、
半世紀を生きたデンさんからすれば、まだまだヒヨっこらしい。
いたずらをしていた時も、しなくなった今も頭につく『悪』の一文字に、少し笑ってしまう。
僕らの住んでいる家の向かい側には、もう五十も過ぎた頃の、ひとり暮らしで小説家のおじさんがいる。
ちゃんとした名前は知らないけれど、この辺りじゃデンさんというあだ名で通っている、気のいい人だ。
その人が突然、我が家へと訪ねてきた。
「おぉーい、悪ガキ三人組ぃ、いるかぁ?」
姉貴はもう23、僕はもう18、夏輝はもう17だから、それぞれ『ガキ』なんて歳は卒業したつもりだけど、
半世紀を生きたデンさんからすれば、まだまだヒヨっこらしい。
いたずらをしていた時も、しなくなった今も頭につく『悪』の一文字に、少し笑ってしまう。