その時、

ガラッ、

と店の戸が勢いすさまじく開いて、

「おおっっそ――――いっ!!」

夏輝が怒声を一発、ぶち込んできた。

どうやらファミレスで食べ終わって、迎えにきてもう気だったらしいが……

あいにくと姉貴のラーメンは特盛。

妹はあわれにもひとりぼっちを味わったというわけだ。

「いつまで食べてんのさ!? 遅いよトロいよスローなんですけどぉ!?」

「ご、ごめんね夏輝、すぐ食べるから……!」

けたたましい夏輝に反応に、姉貴はあたふたとして、僕はやれやれと肩をすくめた。

ただひとり、

「ぅうるっせい!」

「ひゃぁっ!?」

おやっさんだけが、

「メシはゆっくり食うもんだ! 嬢ちゃんもちったぁおとなしく待っとれ!!」

夏輝を一括し、一瞬で上下関係をはっきりさせていた。

恐るべし、とは、このことだ。