僕はただ、溜め息を吐くしかなかった。

「あ、ごめんね?」

と、それを聞いた姉貴が謝る。

別に責めているわけじゃないのに……

なんだって、また……

(ちっ)

あくまでも心の中で舌打ちした。

「別に。謝んなよ、んなこと」

「うん……、冬弥、」

 、、、、
「いいから」

「……うん」

またごめんと言いそうな気配を察して、冷静に機先を制する。

謝られて、謝られて、謝られて……

そんなに、気を遣われたくはないし、そんなに、気を遣わなくてもいいのに、とも思う。

またラーメンを食べ始めた姉貴が、黙るでもなく黙り、僕も、黙るでもなく黙った。